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地球が扁球であると確認された年でもある1735年、時計職人であるジャン・ジャック・ブランパンは時計産業の将来性を信じ、いち早くスイスのヴィルレにて創業したのが「世界最古のウォッチメーカー」と賞されるブランパンである。創業から1932年までの約200年は一族による経営を守りながら、時計の大量生産化やアンクル脱進機の開発、水力エネルギーの活用など業界全体の近代化に寄与し、世界初の自動巻き腕時計の市販化をも可能にした。
その後、1970年代のクォーツショックまでは、弟子のベティ・フィスターとアンドレ・レアルが同社を買取り「レイヴィル(”ヴィルレ”のアナグラム)-ブランパン」 としてマニュファクチュールブランドを存続させる。フランス海軍の要望により開発した「フィフティ・ファゾムズ」や世界最小(当時)の自動巻きラウンドウォッチ「レディバード」などをヒットさせ、スイス時計産業組合(SSIH)の傘下に入った頃には年間220.000本もの時計を生産数するに至った。クォーツショックによる休眠後の1983年、当時オメガの取締役だったジャン・クロード・ビバーとジャック・ピゲにより復活。時代の潮流に反し「脱クォーツ宣言」のもと、社名もブランパンに戻し徹底したマニュファクチュール復興に邁進。その象徴としてトゥールビヨンやパーペチュアルカレンダー等のあらゆる複雑機構を詰め込んだ「1735」を発表し、改めて機械式時計メーカーの権威を知らしめた。2000年に入ってからは、100年以上も実用化されなかった機構を再研究し”ワンミニット・フライング・カルーセル”を商品化。「世界最古」という名に相応しく、機械式腕時計とは何かを説いてくれている数少ない名門ブランドである。