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ナポレオン・ボナパルト、マリー・アントワネット、ビクトリア女王など、世界の名立たる偉人達を顧客にもつという、天才時計師 = アブラアム・ルイ・ブレゲ。1775年にパリで工房を開設し「時計の歴史を200年早めた男」と言わせしめた程、数々の発明や偉業には事欠かないブランドである。衝撃吸収装置「パラシュート」、パーペチュアルカレンダー、ブレゲひげゼンマイ、トゥールビヨンなど現在では他のブランドでも採用される機構・パーツ的なものから、ギョーシェ細工による装飾文字盤、ブレゲ針、ブレゲ数字といったデザイン的なものまで多岐に渡る。中でも一番有名な逸話は、フランス王妃マリー・アントワネットから依頼された「金額に糸目は付けない、世界で最高の時計を」と発注されて制作したという「No.160」。前述の機構に加え、ミニッツリピーター、スプリットセコンド、パワーリザーブ表示など超絶な複雑機構を惜しみなく搭載し、透明クリスタルを使ってその機械体裁全てを見せるという、まさに天才にしか創り出せない逸品だった。しかしこの懐中時計が完成したのは王妃が断頭台に立った後、ブレゲも死没し、発注から44年後に弟子たちが完成させたと言われる。
2008年のバーゼルフェアで一つだけ復刻された「No.1160」が発表され、話題に。現在市販のコレクションは「クラシック」「トラディション」など名の通り同社の歴史、伝統を誇示する雅やかなシリーズと、フランス海軍に収めていたマリンクロノメーターからインスパイアされた「マリーン」、同航空部隊用に開発されスプリットセコンドを搭載したパイロットクロノグラフウォッチ「タイプXX シリーズ」等のミリタリーオマージュな展開もあるが、そのどれもがブレゲらしい気品を漂わせている。