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かのザクセン王国(ドイツ)宮廷時計師、アドルフ・ランゲが時計産業を根付かせた街、グラスヒュッテ。その地に1906年、グイド・ミュラーが時計メーカーとして創業したのがノモスである。しかし、第二次大戦後は他のドイツ時計メーカーの多分に洩れず、即座に休眠状態となってしまう。国の管理下を経て東西ドイツ統一後の1992年、西側のデザイナーだったローランド・シュベルトナーが商権を買いとり、復興したところからが真のノモス史の始まりである。彼の作品にはドイツの芸術学校”バウハウス”の哲学が受け継がれており、機能性のためのデザインといわれるシンプルさが特徴。しかしながら、当地の伝統的なマニュファクチュール気質が詰まったドイツらしい質実剛健なプロダクトとなっている。
代表的なモデルは、数々の賞を受賞したフラッグシップ「タンジェント」。防水性能を高めた「タンジェントスポーツ」や自動巻きにした「タンゴマット」などの派生モデルも賞を獲得し、現在でも人気のラインだ。2005年にはムーブメントの完全自社一貫生産化も果たしており、トゥールビヨンモデルも発表。復興間もない新興ブランドであるが、名実共にドイツを代表するマニュファクチュールと言って過言ではない。