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ユリス・ナルダン (ULYSSE NARDIN)

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ユリス・ナルダン (ULYSSE NARDIN) の歴史と特徴

19世紀後半、スイス時計躍進の時代を担った天才時計師、ユリス・ナルダン。時計職人の父や、マリン・クロノメーターや天文時計の専門家のもとで製作技術を学ぶと、1846年、弱冠23歳で、自らの名を冠したウォッチメーカーをスイスのル・ロックルで創業した。複雑機構のミニッツリピーターなどを得意とし、1862年のロンドン万博で金賞を受賞すると世界的に名声を高めた。1876年に53歳で世を去ると、事業を受け継いだ息子のポール・ダヴィド・ナルダンが1878年のパリ万博で、ポケットウォッチとマリーン クロノメーターの2部門で金賞を受賞。以後は船舶用クロノメーターが、日本など50カ国の海軍に納入される大成功を収め、ポケットウォッチも超高級時計としてのステイタスを獲得した。

 しかし、1970年代のクォーツショックにより壊滅的な打撃を受けると、投資家のロルフ・W・シュナイダーがオーナーに就任。天文時計に造詣が深い時計師・ルートヴィヒ・エクスリンと共同で1985年の「アストロラビウム・ガリレオガリレイ」を手始めに、「プラネタリウム・コペルニクス」、「テリリウム・ヨハネスケプラー」の「天文三部作」を発表し、高級複雑時計メーカーとして完全復活を遂げた。2001年に7日巻きのカルーセル・トゥールビヨン「フリーク」を発表。デュアル・ダイレクト脱進機や、シリシウムとダイヤモンドを採用した新素材を用いた本機は、機械式時計の偉大なマイルストーンとなった。近年は「マリーン クロノメーター」や「ダイバー」、「クラシック コレクション」など実用時計でもファンを魅了している。