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ブランド名と同等に名機”エル・プリメロ”が知られるゼニス。その前身は、創業者ジョルジュ・ファーブル・ジャコがスイスのル・ロックルに設立した「マニファクチュール・ド・モントル社」である(1865年)。彼は「優れた精度の最高級腕時計を作る」という信念のもと、ムーブメントのパーツからケース製作まで時計製造にかかわる全ての職種を一同に集めた”マニュファクチュール体制”を世界に先駆けて採用。マーケティングにも長け、建築家アルフォンス・ラヴリールとコラボしブティックコンセプトまでデザイン。現在の時計ブランドには常識と言える施策を、すでに採用していた事実は特筆に値する。
プロダクトとしては、1900年パリ万博において懐中時計用の手巻き式ムーブメント”ゼニス”で金賞を受賞。1911年には「ファブリック・デ・モントル・ゼニス社」と社名を変更し、1925年にはマニュファクチュールスタッフも1000人を越え、生産量も200万を突破し、他を圧倒。そして1969年、ついに世界で最も精密な自動巻きクロノグラフ、一体型キャリバー”エル・プリメロ”をリリース。後のクォーツショックの影響を受け、買収された親会社に生産停止を命じられるも、シャルル・ベルモ氏が設計図面や金型を隠し、1978年にスイス資本に戻ってから生産を再開したというのは有名な逸話である。毎時36,000回の振動を誇るテンプにより、1/10秒計測という高精度と信頼性から1988年以降のロレックス・デイトナにも採用されるほどに。1999年にはLVMHグループ入りし、傘下ブランドにもムーブメントを供給する。”天頂”を意味するこのブランドは、”第一の”ムーブメント「エル・プリメロ」を有し、我々時計ファンに驚きと興奮を与えてくれている。