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ザクセン王国(現ドイツ)の宮廷時計師であったアドルフ・ランゲは、当時、職に困っていたグラスヒュッテの地に技術と雇用を根付かせようと1845年に工房を設立。リヒャルトとエミールという二人の息子も時計師として成長し、会社の経営にも参画するようになった1868年に現在の「A.ランゲ&ゾーネ(ランゲと息子達)」が誕生する。アップ/ダウンのパワーリザーブ表示(特許取得)や複雑機構でドイツ皇帝をも魅了し、同ブランドとグラスヒュッテの名は世界に知れ渡る事となる。しかし、軍事でも世界を席巻してきたドイツは2度の世界大戦でも標的となり、本社工場が全壊。ついに1948年には旧東ドイツの国営企業となり、事実上休眠状態に追い込まれてしまう。
50年という長い時を経て、東西ドイツの統一という歴史の節目に機をみた創業者のひ孫=ウォルター・ランゲが復興。象徴的なアイテムとして現在でも人気の「ランゲ1」や名器「ダトグラフ」がリリースされていく。大型2枚ディスクのアウトサイズデイトやアシンメトリーな文字盤レイアウト等、技術力に裏打ちされた独創的なプロダクトは、リシュモングループの傘下となった今でも世界有数のマニュファクチュールとして愛好家を魅了し続けている。